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加藤諦三「『自分の働き方』に気づく心理学 」に金言がありすぎて唸る夜

「自分の働き方」に気づく心理学

加藤諦三さん

は、前々から存じ上げていた。

というのも、加藤さんがパーソナリティを務められている「テレフォン人生相談」というラジオ番組があり、

前職時代、夜にワイシャツにアイロンをかけながら同番組を聞くのが好きだった。笑。

加藤 諦三(かとう たいぞう、1938年(昭和13年)1月26日 - )は、日本の社会学者、評論家、早稲田大学名誉教授、早稲田大学エクステンションセンター講師、日本精神衛生学会顧問、ハーヴァード大学 ライシャワー研究所 アソシエイト、ニッポン放送系のラジオ番組である『テレフォン人生相談』のパーソナリティーである。(出典:Wikipedia

そんな加藤さんの『「自分の働き方」に気づく心理学』という本を読んだのだが、金言がこれでもかというほど詰め込まれた名著だったため、筆をとった次第。

個人的に刺さった金言たち

仕事に生きがいを持つために、絶対に必要なのは「自分を知ること」である。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 5

これは「メモの魔力」で前田さんが言っていることと同じ。幸せになるには、 自分がどういう状態がわからなければならない。自分を知らなければ、 自分の生きがいがわからないし、生きがいがわからなければ、自分に合う仕事もわからない。

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幸せになりたければ、自分を市場に売り込むな。自分の独自性を発展させよ。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 204

大企業だから、給料が良いから、将来性があるから、今伸びている産業だから...そういう軸で職業選択をしても幸せにならない。 個人個人に向き不向きがあり独自性がある。自分を偽って働いても、それは自分を幸せにすることはない。

仕事の能力と生きる能力とは違う。このことが理解できるか理解できないかは、意味のある人生を送るためには決定的なことである。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 398

好きなフレーズ。「仕事の能力と生きる能力とは違う」仕事ができなくても、生き抜くことが一番大事。仕事で何もうまくいかなくとも、その経験は自分が生きていく上では糧になる。今はうまくいかなくても、向き不向きがわかれば、次にいかせる。

逆境に強い人は、長い時間的枠組みの中で自らの経験を捉える。 やさしく、簡単に言えば「焦らない」。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 505

今うまくいかなくても、長い人生の枠組みのなかで考える。今うまくいかない経験は、将来役に立つ。焦らない。

名言集にローウェルという人の「人は皆、天職を持って生まれてくる」という当たり前のことが書いてあった。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 612

人は皆天職がある。問題は、自分を理解し、天職を見つけられるかどうか。

生きがいのある仕事とか職業につくために問題になるのは、周囲の反対ではない。自分自身の中にいる反対者である。 自分自身の中に反対の声があると、自分自身が本当に向いている性格を、自分自身で見そこなってしまう。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 612

仮に、東大4年で就職活動を控えた秀才がいるとする。実は彼はトイレ掃除が大好きで大得意である。彼の天職はトイレの清掃員だが、彼はおそらくその職業選択をすることは難しい。職業に貴賎はないが、東大卒の彼がトイレの清掃員としてキャリアをスタートすることはないだろう。周りの声と、その声が内在化された形での自己の声に反対される。彼は周りの東大生と同じように、某マッキンゼーや某財務省、はたまた某メルカリに職を得る、もしくは自分でスタートアップを始めるかもしれないが、心は満たされない。なぜならそれは彼の天職ではないからだ。(例は適当です)

仕事に対する期待が大きすぎる人がいる。そういう人は仕事の選択を間違う。 日常生活における満足がないと仕事に対する期待がすごく大きくなる。 仕事への期待が大きくなりすぎる。仕事に対する準備も訓練も不十分なうちから、仕事で気持ちのいい充足感を求める。 日常生活の小さな喜びの欠如と結びついて、仕事への生きがいを求める期待が肥大化する。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 1914

人生における仕事のウェイトが大きすぎると、仕事がダメになると人生がダメになる。仕事以外の分野、日々の生活の中に、喜びを感じられるポイントを増やす。なるほど〜〜〜。

長い人生で、どうしても不得意領域に拘わらないではいられないという時期もある。そういう時は、今自分は仕事の能力を高めているのではない、生きる能力を高めているのだというように、仕事を自分の人生の中で位置付ける(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 1879

向かないこと、辛いこと。うまく言っていないときは仕事の能力が高まってないかもしれない。でも、生きる能力が高まっている。

生きる能力という視点から考えれば、人生に無駄はない。仕事の業績をあげるという視点だけですることを考えれば無駄なことはたくさんある。(Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 2059

金言すぎる。

人間は時間をかけて自分自身になっていくのである。最初から「自分がある」のではなく、「自分になっていく」。  したがって最初から、「あーオレはこの仕事をするために生まれてきたのだ」ということではなく、仕事をしていく過程でそれがわかる。 (Kindle出典:「自分の働き方」に気づく心理学・位置: 2148

勇気をくれる言葉。

とにかく、挙げきれないくらい金言がある。 1938年生まれということで、若い人が読むと価値観・世代間が異なりすぎるのでは?と初めは思っていたけど、そんなことなかった。 良い読書体験。