「営業の魔法」まとめと感想 駆け出しセールスパーソンにオススメな役立つ良書
「営業の魔法」は、セールス超駆け出し時に何回も読んだ本。 どこかのレビューで書いてあったが、まさに営業版「嫌われる勇気」。
入社以来全然売れない営業マンの小笠原は、たまたま喫茶店で商談していた トップセールスマン神谷の営業に衝撃を受ける。 そこで神谷に弟子入り志願し、週に一度営業のレクチャーを受けることに。 レクチャーにて、小笠原は神谷より12個の「魔法」を授けられる。
物語調でスラスラ読めるが、内容は濃い。 実際の営業の商談の場で、本書で語られるコミュニケーションの作法を用いているが、 確かになるほど、と思うことが多々ある。
セールス駆け出し時代は、技術として定着するまで、カバンに入れて読み返す(最後のまとめも振り返りに役立つ)のがオススメ。
以下、要点を内容をまとめる。
1. 相手に考える「間」を与える
- セールスの会話では、相手に考えるための「間」を与える必要がある。
- 「間」によって、相手は会話の間で選択と決断を繰り返すことができる。
- 小さな選択と決断を繰り返すことで、頭が整理され、最終的な結論を導きやすくさせる。
- 人間は考えるときに目線をそらす。目線がそれた時が、相手に「間」与えるタイミング。
- 自分に目線が戻ってきた時が、再び話し始めるタイミング。
2. 営業には「人間力」が必要
- 営業に必要なのは、人としての最低限のマナー。
<嫌われる人> <好かれる人> 横暴な人 ↔︎ 謙虚な人 嘘をつく人 ↔︎ 正直な人 不潔な人 ↔︎ 清潔な人 知ったかぶる人 ↔︎ 感動する人 場の空気を乱す人 ↔︎ バランスの良い人 人の話を遮る人 ↔︎ 順番を守る人 話を横取りする人 ↔︎ 相手に敬意を払う人 話を聞かない人 ↔︎ 聞き上手な人 人を否定ばかりする人 ↔︎ 認めてくれる人 人を不安にさせる人 ↔︎ 安心させてくれる人
「(...中略...)営業はお客様からたくさんのノーをもらわなければいけないのです。ノーは能力の『能』です。そうやって自分の欠点に気づき、学び、成長していくものです。
出典:営業の魔法 この魔法を手にした者は必ず成功する
3. 営業 = 商品を売るのではなく、顧客の課題解決の手伝いをする。
- 人は興味のないことや気づいていないことに関しては拒絶する。
4. 既成概念
- イメージの限界が自分の限界になる。
5. 応酬話法
- 相手の意見を尊重した上で自分の意見を述べる。
- まず相手の話を聞く。
6. 二者択一話法
- 漠然とした質問ではなく、2つ選択肢を提示する。
- 二者択一話法をアポどりに活用し、相手の温度感を確かめる(今週 or 来週、来週の前半or後半)
今週:時間にシビアな人が多い。念入りな準備が必要。
来週の前半:温度感良い。多くの人がここをチョイス。
来週の後半:温度感低い。リマインドが必要。
7. イエス・バット話法
- バット以下を相手に考え・言わせるのが極意。
- まずは相手の意見を肯定 → その意見に対して質問 → 相手が自身で別の結論を導き出す。
8. ノーが出てきたときこそ本音を聞くチャンス
- ノーと言われた場合は、「実際のところは、どうなんでしょう?」で相手の本音を聞く。
- 本音を聞き、課題を把握した後は、その課題解決に全力を注ぐ。
9. 類推話法
- 人はストーリーが大好き。
- 第三者のストーリーであれば、謙虚さを保ちつつ伝えたいことを伝えられる。
10. 推定承諾話法
- 「もし仮に〜」
- その他の話法と組み合わせ用いる
11. 言い切る技術
- クロージングでは、曖昧な言葉を排除する
クロージングの8つの基本 1. あわてない。
2. 余計なことをしゃべらない。
3. 『間』を取る。
4. 悲壮な表情、態度をしない。
5. 物乞い調にならない。
6. 悠然と。
7. ジッと待つ。
8. クロージングを掛けているという意識を強く持つ。
出典:営業の魔法 この魔法を手にした者は必ず成功する
12 ポジティブシンキング
- 明確なビジョンを持ち、それに向かって行動すること。
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改めて読み返してみると、メンタルに言及した内容も多いが、
・「間」の取り方
・質問を用いるイエスバット話法
・「ノー」が出た後に本音を聞く
など、コミュニケーションの作法が大いに参考になった。
toC向けの営業本だと、筆者の「メンタル論」「根性論」ばかりで辟易としてしまうものが多い。 この本はスラスラ読めるにも関わらず、toCtoB問わない営業の基本を身につけられるので、駆け出しセールスパーソンにオススメ。